2016.10.26作成
2018.09.11更新
ご紹介した温泉の補足になるように、泉質について記載します。
炭酸水素塩泉
溶存物質(ガス性のものを除く)が1,000mg/kg以上あり、かつ陰イオンの「炭酸水素イオン」が20ミニバル%以上で、炭酸水素塩泉に該当します。炭酸水素塩泉も硫酸塩泉の様に以前は名称が分かれていました。
①「重炭酸土類泉」
現在の「カルシウム−炭酸水素塩泉」「マグネシウム−炭酸水素塩泉」に該当します。カルシウムやマグネシウムによる鎮静効果が期待できます。痙攣、炎症を抑える為、慢性皮膚病、アレルギー疾患、じんましん等に効果を発揮します。飲用の場合は痛風、尿路結石、膀胱炎、排泄作用等に効果を発揮し、糖尿病、慢性胃腸炎等にも鎮静作用により効果があります。
②「重曹泉」
現在の「ナトリウム−炭酸水素塩泉」に該当します。皮膚の表面を軟化させる為、皮膚病や火傷、切り傷に効果を発揮します。また皮膚の洗浄し、滑らかツルツルにする為美人の湯とも呼ばれます。飲用では胃の中で炭酸ガスを発生させ、胃の中の排泄を促進します。慢性胃炎にも良く、うがいや吸入で気管支炎にも良いとされています。
効能・泉質別適応症
切り傷、抹消神経障害、冷え性、皮膚乾燥症
飲用の泉質別適応症
炭酸水素塩泉は大分県の長湯温泉が有名です。日本一の「炭酸泉」を謳っていますが、ほとんどの湯が①②両方の特性を持っており、素晴らしい温泉や宿がそろっています。
長湯温泉の場合、温度が低ければ泡付きの湯を楽しめる場合があります。なお「炭酸水素塩泉≠炭酸泉」です。良く間違われるため注意が必要です。長湯温泉が炭酸泉を謳っているため私も当初は勘違いをしていましたが、「炭酸泉=二酸化炭素泉」です。つまり長湯温泉は二酸化炭素泉の要素もある温泉郷ということです。
効能について感じる事ですが、例えば慢性皮膚病の効能は硫酸塩泉等にも表示されます。ただひとつの慢性皮膚病に対し炭酸水素塩泉の鎮静から湯を選ぶか、硫酸塩泉の蘇生から選ぶか、解毒作用のある硫黄泉を選ぶか、もしくは殺菌効果のある酸性泉か!?
同じ温泉でも、泉質により慢性皮膚病に対し様々なアプローチがある点が面白い。
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