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下山後の温泉

大分県在住、登山が趣味の温泉ソムリエが、「おんせん県おおいた」の立ち寄り湯を巡ります。

命を守る「かけ湯」の習慣

入浴する場合、家でも温泉でも「かけ湯」は必ず行うと思います。その行為について考えます。

そもそもかけ湯の目的とは何でしょう。多くの方が「腰回りを洗い、湯を汚さない為」と考えていると思います。私もそう習ってきました。湯を汚さないことはマナーであり大切なことです。レジオネラ菌の混入も防ぎます。かけ湯をしない方が湯に入るのを見かけると、私もムッとしてしまいます笑

 

言うまでもありませんが、これは正しいです。マナーとして重要です。しかし他にも大切な意味があります。これはあまり知られていません。

 

湯に浸かると温熱作用により血行が良くなります。心臓への負担軽減、心拍出量の増加などの効果をもたらしてくれます。これはメリットです。しかし身体が冷たい状態のときにこの効果が発生した場合、身体は危険に晒されます。「ヒートショック」と言い、寒い脱衣所で身体が冷え、熱い湯につかると血圧が急変し、脳梗塞心筋梗塞を引き起こし、意識を失うなどして死に至る危険もあります。

 

ではどうすればいいか!?

身体の末端、手足から丁寧に湯をかけ、最後に身体本体、心臓です。徐々に身体を慣らしていきます。また右手に桶を持った場合、最初の方に「左肩」に湯をかける方が多いと思います。「左肩」は心臓に近い位置の為これも危ないですね。かけ湯は10杯程度に分けて行います。これにより急激な血圧の変化を防ぎます。

 

大切なことは「これから湯に浸かるということを身体に教えてあげること」これも「かけ湯」です。

 

入浴にかかわる死亡者数は年間およそ19,000人と推定されています。これは交通事故による死亡者数の4倍以上の数値です。そのほとんどが高齢者です。上記記載の事故はひとつの発生例です。実際は様々な要因が重なることがありますが、大量に事故が発生していることは事実です。

 

私たちも高齢者と呼ばれる時がきます。大切な人を守る為、将来の自分の為、大好きな温泉で命を落とさない為にもまずはかけ湯を丁寧にする習慣をつくっては如何でしょうか。