下山後の温泉

大分県在住、登山が趣味の温泉ソムリエが、「おんせん県おおいた」の立ち寄り湯を巡ります。

【別府市】鉄輪温泉 ひょうたん温泉~圧倒的湯量と湯雨竹が織りなす大規模温泉施設

別府は今凄く熱いです!とうとう「湯~園地」も始まり、テレビでも頻繁に取り上げられています。下山後の温泉では、私の仕事の都合で直接「湯~園地」に関わることはできませんが、温泉好きが別府に集まっている今だからこそ、日本を代表する温泉「ひょうたん温泉」をご紹介しようと思います。

 

まず「どうして日本を代表するのか?」ですが、ひょうたん温泉は、なんと「ミシュラン三ツ星」に選ばれている温泉施設なのです。選ばれた当初は「伊勢神宮・富士山・出雲大社・・・」と続く中に「ひょうたん温泉」が入っており、世界遺産級の名所と肩を並べる温泉施設ということで、大変驚かれたようです。後に「愛媛県 道後温泉」も選ばれたようですね。

ミシュランの基準は不明な点が多く、フランス人の感性が大きく反映されているようです。きっとこの大規模な温泉と日本らしい雰囲気が喜ばれたのでしょう。誰でも取得できるようなものではありませんので、本当に凄いと思います。 

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ひょうたん温泉を語る上で重要な設備に「湯雨竹」があります。ひょうたん温泉は営業当初から「源泉かけ流し」に強くこだわっている施設です。しかし鉄輪温泉は高温の温泉地で、湧出する温泉も100℃前後です。

100℃近い温泉を適温にする方法に、①加水する ②長時間かけて冷ます などがありますが、源泉かけ流しに拘る為、①は除外。よって②を選択し、夜9時に営業を終了し、湯を抜き掃除をしたあと、温泉を溜めて朝まで冷ましていたそうです。しかし夜9時過ぎに訪ねてきた観光客が残念そうに帰っていく様を見て、当時の社長は深夜まで営業したいと考えるようになりました。

そこで出た案が「設備を使って冷ます」です。しかし鉄輪温泉は酸性泉に近い為、金属は穴が開いてしまいます。よって木を使うことを思いつき、木で冷却装置を作ることになったのですが、それはもう大変。長い年月をかけ、やっと完成しました。その間の過程は長いので割愛させて頂きます。詳細は下記「湯雨竹HP」をご参照ください。感動します。

湯雨竹 トップページ

 

上は地獄、下は極楽の湯雨竹の仕組みは至って単純です。竹により細分化された温泉は水滴状になることにより空気に触れる表面積が増えるのです。本当に単純なことですが、私たち一般人はまずこの様な発想に辿り着くことはまず困難です。当時の社長と研究者たちに脱帽です。 

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(写真は渋の湯のミニ湯雨竹です)

今までは源泉かけ流しとは言え、営業時間中は100℃を越える源泉を浴槽に直接注ぎ込むことはできませんでした。しかし湯雨竹を実装したことにより、湧き出した温泉がすぐに使える為、圧倒的湯量がそのまま体感できます。よってひょうたん温泉では大浴場の他に家族風呂も多数備わっています。営業も深夜1時までできる様になりました。

 

ひょうたん温泉の名称の由来は、創業者の出身地が大阪だったことが原因らしいです。大阪とひょうたんの繋がりはひとつ、「千成瓢箪」です。そう、豊臣秀吉です。なんとも安直なネーミングですが、九州ではその様な発想はないので、当時から特徴があったみたいですね。木造7階建てのひょうたん型の建物もあったらしいですが、戦争中は爆弾の的になるという理由で撤去させられたそうです。

そんなひょうたん温泉も現在95周年。100年続く温泉施設までもう少し。

 

ここからが通常の下山後の温泉が始まります。とある平日の夜遅く、100年温泉の「ひょうたん温泉」を利用しました。ひょうたん温泉の一番良い利用時間は夜です。昼間は観光客や観光バスが出入し、とにかく人が多いことで有名です。そして18時以降は料金も安くなるのでお得です。

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ひょうたん温泉は観光バスが出入する温泉施設、それも海外からの観光客が利用する温泉施設なのです。流石ミシュラン三ツ星!でもこれも会社の経営方針なのです。100年続く温泉施設として、日本人のニーズ、海外のニーズ、両方を取得することを狙っています。温泉という営業は、狩猟に例えると、罠を設置し獲物が通過するのを待つのみの「待ち」のサービスです。客のニーズが変われば、当然罠も設置し直さなければなりません。

ひょうたん温泉は罠に誘い込む策も巧妙ですが、常に先を見据えてアンテナを張り、利用者の声に可能な限り対応し、罠を設置し直しているからこそ、ここまで大きくなったのかもしれませんね。施設内の看板は「日本語・ハングル語・英語・中国語」の4か国語で記載されているなど随所に工夫が見られます。

温泉施設としても、経営方針としても参考になる部分が沢山あります。

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駐車場につき車を降りて入口に向かいます。左手にミニ湯雨竹があり、足湯として楽しむことができます。大規模なものは裏にありますが、湯雨竹を身近に感じてほしいという理由で設置されたそうです。

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玄関を入ると鍵付き下足入れがあります。券売機で券を買いフロントへ提出し、ロッカーの鍵を受け取りますが、私は温泉道の優待券を使い、今回も無料で入浴します。ちょっとした優越感があります。

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料金支払いを済ませると、下駄に履き替えもう一度外に出ます。周囲は建物に囲まれている為、中庭に該当する空間ですが、食べ物の販売コーナーや自販機エリア、温泉の蒸気吸引コーナーや地獄蒸し体験コーナー、休憩所もあります。

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脱衣室には温泉分析表や温泉カルテが設置されています。ロッカーは鍵付きなので、貴重品はひとまず安心できます。脱衣室内の階段を降りると大浴場です。中に足を踏み入れると大規模な空間に驚きます。幾つもの浴槽にずらーっと並んだ洗い場、そして3mの高さから流れ落ちる打たせ湯、それが約20本!圧巻です。これが源泉かけ流し。圧倒的な湯量です。

 

泉質は「ナトリウム-塩化物泉」です。保温保湿効果のある泉質と豊富なメタケイ酸で、湯上り後も温泉を肌で感じることができます。私はひょうたん温泉の歴史を知ってから入浴しましたので、「やっぱり凄い温泉施設だなぁ」という言葉や感想しか出てきません。

 

大規模な施設ですが、ジャグジーや泡風呂などがある訳ではありませんので、一般の方がスーパー銭湯感覚で立ち寄ると「物足りない」と感じる場合もあるかもしれません。温泉や泉質に全く興味がない方は、特にそう感じるでしょう。子供用の滑り台もありませんし。しかしここは温泉施設であり、スーパー銭湯ではありません。入浴する際は「大地の恵みの温泉を贅沢に堪能する情緒ある施設」としてお楽しみ下さい。この規模と湯量が別府温泉郷を物語っているようで、観光でお勧めしたい施設です。飲んだら程よく塩分が利いており美味しいですよ。私は大好きな温泉施設です。

 

概要

施設:ひょうたん温泉

泉質:ナトリウム-塩化物泉

pH値:3.11

メタケイ酸:476.6mg

 

▽泉質はこちら

kazdorado.hatenadiary.com

 

▽公式HPはこちら

別府温泉なら一日中楽しめるひょうたん温泉

 

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2017.07入浴